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別れ [雑事]

 最近、ブログを読んでいた方が、永遠の眠りにつかれました。

『ブログランキング』で上位に登場していた方なので、ご存知の

方もいらっしゃることと思います。『車椅子父さんの日記』を

書いていた『がつうさん』という方です。昨年の暮れから、ブログ

を書き始めた私は、今年に入った頃かな?ブログランキングの

存在を知り、気になる方のブログに訪問していたのですが、その

時に知ったブログの一つです。

 『がつうさん』は、自分のブログの中で、自らの病のことを明かして

いらっしゃったので、ここに書き記しても差し支えないこととは思い

ますが、一応、個人情報ということで差し控えたいと思います。ただ、

一つ言えることは、その病は『不治の病』であり『難病』の一つであった

と言うことだけです。病気の宣告を受ける時に、自らの死期を宣告

されていた『がつうさん』。その時のショックは、いかほどだったのか?

想像すらできません。しかし、そのショックを乗越えて、明るく楽しい

話題の日記を更新し続けてくれていました。

 旅立たれていかれる2日前の日記には、こう記されていました。

 みなさんの書き込みの中に
 僕の事を 「強い」 「前向き」
 などなど言って頂く事もあるんですが

 僕は、全然強くなんかありません。

 強い人間どころか、
 人並み外れて 弱い人間かもしれません。

 入院前より 入院後の今の方が
 何だか急激に悪くなったような気がして仕方ありません。

 最近特に 毎日毎日が
 不安との闘いです…。

 この日記に対して私は、『強い人間なんていませんよ』みたいな

コメントを残したように思います。そして、『頑張れ』と・・・。その

コメントを本人が読むことができたのか?を知ることはできません。

しかし今、振り返ってみると、『がつうさん』の心からの叫びに対して、

無責任な『頑張れ』という言葉は、果たして正しかったのか?それ

よりも『もういいよ、頑張らなくって。十分頑張ったんだから・・・』と

いう言葉のほうがふさわしかったのではないか?という後悔の念が

押し寄せてきます。

 何かのドキュメンタリー番組の中で、病院の医師が言っていました。

『頑張れ!という言葉は、頑張っている人には辛いだけだ。これ以上

どう頑張れというのか?』というようなことを・・・。それを聞いてから、

安易に『頑張れ』という言葉を使わないように気をつけていたのに・・・

『がつうさん』に最後に届けた言葉はその『頑張れ』だったんです。

 彼は、『生きる』ために精一杯頑張っていました。何よりも愛する妻と

二人の子どものために『生き続けたかった』んです。その彼が吐いた

心の本音である『弱音』を受け止めることが、私にはできなかった。

それは、『弱音』を受け止めることは、彼の死を意味しているように

感じたからかもしれません。

 でもきっと、彼のそばにいた大切な人たちが、彼の弱音を受け

止めてあげていたことと思います。彼は安らかに、光の輝く場所へと

旅立っていかれたと彼の奥さんのコメントに記されていましたから・・・。

 

 ブログを通じて、一人の『死』という体験をしました。そして昨日も

テレビ番組を通じて、もう一人の『死』を体験しました。

 『余命1ヶ月の花嫁』。タイトルどおりのドキュメンタリー番組でした。

涙が止まらなくなりました。その彼女の前向きな笑顔と彼女を愛する

周りの人々の愛に・・・。

 『幸せってこんなにも身近なところに転がっているんだ』ということを、

彼女はその小さな体いっぱいで、その笑顔で表現してくれていました。

『生きているって、それだけで奇跡』彼女の残した言葉が、今も耳から

離れません。

 

 直接的ではないにしろ、自分の周りで起こった二人の『死』。それが

私の心の奥底に、ズシッと重く響きました。一人の時には、これほど

強く『死』というものが、恐ろしいと感じたことはありませんでした。でも

結婚し、家族を持った今、『死』というものが、これほど恐ろしいもので

あったことを実感せずにはいられません。

  『生あるものには必ず訪れる死』。やがて訪れるその日まで、

『生きる』ことを大切にしたいと思いました。そして、今ある幸せに

感謝し、『生きていることの奇跡』を大切にしていかなければ・・・。

 

 長い文章になってしまいましたが、最後まで読んでくれて、

ありがとうございました。



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コメント 8

私もしっかり『生きたい』と思ってはいるんですけど、大した目的もなく
ダラダラ毎日を過ごしてしまいがちです。
健康でいられることがどれほど幸せなことなのかそれを失ってみないと
人間はそのことに気付かないし気付けないんですよね。
でも、私も子どもを持って命の大切さを身を持って感じるようになりました。
自分のこれからの人生を今、今までで一番真剣に考えています。
家族っいるってすばらしいですよね。強く明るく前向きに生きていきたいです。
by (2007-07-19 21:38) 

くまごろう

「がつうさん」のことは存じ上げませんが、昨日のテレビは見ました…。
あんなに若いのに…。
お父さんの悲しみが、画面を通じて伝わってきました。
本当に、こうやって毎日平凡にでも過ごせることがいかに幸せなことか、
改めて教えられましたね…。
とどさんのお気持ち、がつうさんにはきっと届いていると思いますよ。
by くまごろう (2007-07-19 21:41) 

かや

がつうさんのブログ、拝見したことはなかったのですが、とても残念です。
応援していたとどさんのお気持ち、届いていると思いますよ。
私はこの1年で父と姪っ子を亡くしました。昨日のテレビはまだ見る余裕がなくて見たかったけどやめておきました。
うちの父も不治の難病だったので、かなり前から「死」と向き合った生活をしていました。遺影の写真、葬儀社、葬儀場、連絡して欲しい友人など、全部をひとつのファイルにまとめて病室においていました。苦しみながら「あのファイルを…」って言ってました。それをまとめていた時の父の心のうちを思うと、未だに涙が出ます。私は父はなんて強いのだろうと思ってましたが、母には弱音を吐いたりしていたようです。
姪っ子も父も自分が苦しいのに家族の心配ばかりしていました。家族って凄い絆ですよね。健康のありがたみをかみ締めつつ、家族と過ごす毎日を無駄にしないようにしていかねばいけませんね。。。
(自分の事ばかり書いてしまってすみません・・・・)
by かや (2007-07-19 23:17) 

「頑張れ」って言う言葉は、難しい言葉なのですね!
そうとも知らずに「頑張れ!」とよく言っているように思い、恥ずかしくなりました。
でも、とどさんの『がつうさん』への励ましの「頑張れ」はきっと嬉しい言葉だったと思います!自分のブログへの返事って、不安な時は心強く感じるものだから!
いつおとずれるかわからない死ですが、独身の時は何も考えていなかったのですが、結婚し息子が出来ると、死というものはとても怖く思います!!私も生きることを大切にしたいです!!
by (2007-07-20 07:11) 

とど

みなさん、こんな長い文章を読んでいただき、
また、コメントを残してくださってありがとうございます。
>だいふくさん
偉そうなことを書きながら私も、ダラダラとした毎日を
送っている・・・というのが正直なところです。一日一日
を大切に、一生懸命に『生きている』人には、申し訳が
たちません。そういった人たちに対しても、胸をはれる
・・・とまでは行かないものの、まっすぐに見つめ返せる
ような生き方を心掛けたいものです。

>くまごろうさん
お父さんの悲しみは、いかばかりだったでしょう?
自分の子が、自分よりも先に旅立っていく・・・これ以上の
悲しみが、一体どこにあるというのでしょうか?でも、それ
とひきかえに、心の通じ合った息子をもつことができたこと
は、救いだったでしょうね。
『がつうさん』に、少しでも気持ちが届いていたら・・・。

>かやさん
そうでしたね。かやさんは、姪っ子さんとお父さんを
亡くしたんでしたね。きっと、この文を読んでいて、その
時の気持ちを思い出してしまわれたのでは?それ
なのに、こんなに素敵なコメントを残してくださり、感謝の
言葉もありません。

自分が死んだ後のときのことを考えて書きしたためる。
その時のお父さんの辛さは、身に詰まされます。私も
そういう立場になったとき、そんな強さをもてるのか?
きっと無理だろうと思います。お父さんは今、姪っ子さんと
仲良く二人で、天国から見守ってくれていることでしょうね。

>りすあすさん
『頑張れ』という言葉自体は、励ましの言葉として大切
であると思いますが、一方で、人を傷つける言葉でも
あることを知っておきたいですよね。『頑張る』力のある子
には、これまで通り、『頑張って』という言葉を使っていって
あげてくださいね。
by とど (2007-07-20 13:21) 

『がつうさん』のブログは、
拝見した事がなかったのですが
本当に残念です。
お亡くなりになる2日前に更新した時は
どんな心境だったのだろう?とか
とてもとても心が痛みました。
「頑張れ」という言葉は人によっては
ナイフのように突き刺さる事も
あると思います。
だけど、『がつうさん』は、ご家族はじめみんなが
真剣に応援してくれてたからこそ
前向きに頑張れたし、ブログ更新も出来たんだと
私は思うんです。
自殺願望の人に
「もう、我慢しなくていよ」って言葉を
かけてしまえば『自殺』してしまう可能性が
いっぱいあります。
言葉って本当に難しいですよね。

私は、友達が飛び降り自殺で亡くなりました。
その子は かなりのうつ病で
遺書に「もぅ、頑張れない・・・。」と書いてありました。
その頃私も「一緒に頑張ろ~よ!」と言っていました。
その時から、本当に元気な人にしか
「頑張れ」は言わなくなりました。

今回は、niceは押すのやめますね・・・。
by (2007-07-21 19:43) 

Akk♪

私も「頑張れ」という言葉について何かの番組で聞いたことあります。それからは「頑張って」という言葉は気をつけて使うようになりました。
人の死というものは、今までもこれからも、やっぱり避けては通れないものです。Halの生まれた日、私が一番仲良くしている友人のお母様が亡くなられました。それまで何年も闘病生活を送っていて、昨年末は彼女も看病でかなり疲れていました。そのときは「頑張りすぎないでね」としかいえませんでした。
Halは生まれ変わりみたいだねって、今は笑って話ができますが、そのときは大変だったと思います。私も出産とかで何もしてあげられなったし・・・生あるうちは精いっぱい生きる、それが一番だと思ってます。
by Akk♪ (2007-07-23 00:03) 

とど

>hideさん
言葉の難しさを、つくづく思い知らされました。
hideさんも辛い体験をしていたのですね。
自殺してしまったお友達の遺言書に書かれた
言葉が・・・。重く心にズシッと響きました。

>Akk♪さん
『頑張れ』という言葉の重さを感じます。
これからも『頑張れ』の使い方には気をつけて
いきたいです。
by とど (2007-07-25 21:33) 

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